2022年9月13日火曜日

特殊フォーマット上映と映画館の価値

 アウトプットするヲタクっていいものですね…!モチベ刺激されたので更新します。夏休みなのに最近忙しいのよ…。

特殊フォーマット上映のお話

まず特殊フォーマット上映ってなんぞや?って話から。まぁ簡単に言うとIMAXとかMX4D4DXなどの4DDolbyCinemaなんかの追加料金取られる系の上映のこととこの記事では定義します。更にそれぞれの方式について解説すると
  • IMAX・・・アスペクト比が高い画面での上映を主眼とするシステム。また座席配置も急勾配状になっているのが特徴的(TOHOシネマズの紹介ページ)。
  • 4D・・・映画の映像や音声に合わせて座席が動いたり、風や水や匂いなどが観客に向けて放たれることで映画の世界をリアルに「体感できる」という触れ込み。韓国CJ 4DPLEX社の4DXと米MediaMation社のMX4Dを総称してこう呼称することが一般的(イオンシネマの4DX紹介ページ)。
  • Dolby Cinema・・・ドルビーラボラトリーズが提唱する規格であるDolby VisionDolby Atmosなどを全て揃えた規格。導入費用は非常に高価であり、導入館は上記規格と比較しても非常に少ない一方、音響規格のDolby Atmosのみの導入に留まる館は多い(Dolby社公式の紹介ページ)。
他にも色々あるっぽいけど現状、映画館の系列に縛られないかつ対応作品も多い規格となると上記3つ(4つ)になるのかなぁって感じですかね。

体験談~IMAXと4DXとDolby Atmosの

上3つの話をしましょう。全部ここ1年ちょいの話です。・・・我ながら地元で見れる映画をわざわざ宮城まで行って観るの中々あたおかだとは思う、公開されてないならともかく。

IMAX:シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇~TOHOシネマズ仙台(2021.06.12)

「薄い本」頒布初日だった


















最初に体験した特殊フォーマット上映はIMAX。観てきたのは昨年の興収第一位を記録し、8年待ったファン全員を唸らせ、シリーズを終わらせた『シンエヴァ』。私は新世代のヲタクでして新劇場版しか触ったことがないのですが、この映画は自分の中で何かが「違った」。実はこの回観るまでに既に通常版を2回観てたり、この後にももう2回行ったり、この日は+1.01版の上映開始日だったのにIMAX版含めた特殊フォーマット版は+1.0のままだったり(入場特典の「薄い本」はもらえた)、そもそも前日に地元で公開初日の『閃光のハサウェイ』観てきたから2日連続で映画観ることになったりと、色々ネタに事欠かなかったりする。あとその『閃ハサ』と『シンエヴァ』だけ客の入り方が違った話もあったり。
公開3ヶ月とは思えない席の埋まり方












TOHOシネマズのIMAX料金は+500円。感想としては「違うといえば違うけどそこまで明確に違いを感じられるかというと微妙」というもの。中盤の南極での対艦戦とかその後の新2号機と改8号機の戦闘シーンとか、確かに迫力はすごかったですけど。でもあれ通常版と見比べて初めて違いがわかるんじゃないか、ってレベルに留まっていた感は否めません。正直またIMAXで何か映画観たいか、と問われると首肯しかねるかなぁ。500円はちょっと。ただ映画上映開始前のCMがなかったのはよかった。あれ15分くらいあって結構うざったいんですよね。それカットできた点に、一番価値を見出してしまった辺り色々お察しください…。
さようなら、IMAX











さようなら、全てのIMAX…

4DX:劇場版 呪術廻戦0~イオンシネマ名取(2022.02.17)

次に選んだのは4D。4DXの方を選んだのは単純に自宅からの行きやすさ。んで観てきたのは21年最後の大ヒット作にして「ポスト鬼滅」とか色々言われる作品群の中でも頭一つ抜けたブレイクを果たし、今やONE PIECEやヒロアカに並ぶ週刊少年ジャンプの看板作品にまで成長した『呪術廻戦』。そのパイロット版にして前日譚の『呪術廻戦0』でした。実はこの映画観るためにTVアニメシリーズを履修し始めて、一気にハマったという経緯を持つ。冬アニメの2期も楽しみですわ。例によってこの回も2回目。料金はIMAXより更に高い+1000円。まぁ席とかの整備大変そうだし多少はね?

ワタシアターの月イチクーポンで基礎料金1200円


















観てきた感想ですけど「アトラクションとしてはめっちゃ楽しいしアクション映画観るのは楽しいけど…」というもの。冒頭の雨のシーンで席にも雨状に水降り始めてその時点で引き込まれました。匂いとかは別になかったけど席稼働と風はすごく効果的で、終盤の五条vs.ミゲルや乙骨vs.夏油は凄まじい迫力でした。ただ、映画の世界に引き込まれるかというと…。席が動きすぎて中々疲れますねこれ。アトラクション的楽しさはあるけど忙しすぎて集中できず、結果的には通常上映とどっこいどっこいな引き込まれ方といった具合。少なくとも内容にはとてもじゃないけど集中できないので1回目で行くのはオススメしません。

Dolby Atmos:ONE PIECE FILM RED~イオンシネマ新利府(2022.08.29)

前回記事で取り上げたイオンモール新利府。そもそも行った一番の動機はこれ観るためだったんですねぇ~。原作漫画は連載開始から4半世紀、ついに最終章に突入して盛り上がりは最高潮、今や日本を代表する漫画と言っても過言ではない『ONE PIECE』。その劇場版であり原作者尾田栄一郎先生も制作に名を連ねる『FILMシリーズ』の最新作である『RED』を観てきました。ONE PIECEは原作単行本勢で一応最新刊の百三巻までは読んでますが、アニメはほとんどノータッチで今まで観たことあるのは『FILM STRONG WORLD』くらい。じゃあなんで観に行ったのかといえば、周りの人間がみんな口を揃えて「ヤバいこの映画めっちゃ面白い」って言い出してたから。んで興収もまたたく間に100億に到達したり、「なんかこの映画ヤバいみたいだな?」というのをビンビンに感じ取って足を運びましてね、ハマったわこの映画ヤバい。ちなみに料金はDolby Atmos自体は追加料金なし。ただし今回は「アップグレードシート」を確保したので+500円でワンドリンク付き。
クソデカお座席


















この手の良い座席ってのも初体験だった。それぞれ感想申し上げますと、まずDolby Atmosは「よく違いはわからんけど追加料金なしなら選ばん理由はない」っていうもの。んで座席は「500円は高い気もするけどよく考えたらワンドリンク付いてくる時点で実質100円未満なんだしめっちゃいいのでは?」というものです。まず『FILM RED』自体の話もあるんですけど、音がいいと映画って面白いんですよね。これに関しては1回目であっても選べるなら選ぶべきです。『RED』って予告とか見てもらえればわかると思いますけど歌がメインの作品なので音にはこだわるべき作品です。しかもDolby Atmosは無料なんですからこれは選ばない理由がない!!!・・・公開中作品なのでネタバレは避けます。んで座席なんですけど荷物置けるスペースあったり隣の席との間にパーティションあったり足伸ばせたり地味に快適な部分は多かったんですよ。当然ドリンクホルダーと肘掛けも独立。そういう細かい面での快適性は増してるんですが一方でそこまで革命的な違いがあるか?と問われると首肯しかねる。ただ、ドリンクメニューがどれでも1杯タダで付いてくるので、それで追加料金の半分以上、下手すればほとんどを回収できてしまうんですよね。その時点で結構アリな気がする。

最後アップグレードシートの話になっちゃったな。こっちはシネコン系列それぞれで違うのでこれも色々体験してみたい。

REDで感じた「映画館で観る映画の価値」

最後この話したい。映画館で観る意義についての話。最近ディズニが公開から間もない映画をDisney+に速攻追加したり、ガンダムが『閃光のハサウェイ』『ククルス・ドアンの島』を公開映画館で公開初日からBD売ったりと、もはや一番早く観れるタイミングの独占すらできなくなった映画館。まぁ結構な割合で原因をあの忌々しい疫病が占めてるんでしょうが、それを含め映画館にわざわざ足を運び、無割引で2000円弱という決して安くない金額を支払うという行為が昔より「贅沢な行為」になっているのは間違いないでしょう。Netflixの最上位プランとかU-NEXTの月額に匹敵する額ですからね?映画館で映画一回こっきり観る金額と同じ額で観放題。そうなれば当然「新たな価値」を見出だせないと映画館で映画を観るという行為がどんどん先細りしてしまうのは自明です。ここで『ONE PIECE FILM RED』の感想になるわけですが。公開中の映画なので具体的な内容に言及することは避けますが、この映画「映画館で観る映画の価値に非常に自覚的なつくりの映画だな」という感想を抱きました。もちろんこれは好意的な意味合いでの感想です。
キャッチコピーや上の予告を見てもらっても分かる通り、この作品は「歌」が重要な意味合いを持つ作品です。メインキャラクターの「ウタ」が歌う7つの劇中歌はそのいずれもが作中のシーンを彩るにとどまらない、効果的な使われ方をしています。「観るときは音にこだわるべき」と先述した理由もそこ。そしてこれが私の考える「新たな価値」にも結びついてくるのです。

自宅で映画を観る環境を考えてみましょう。映像面ではもはや4Kテレビがすっかり市場の主流を占めるようになり、パネルも高価格帯はいつの間にかOLEDが幅を利かせるようになりました。もはや映像を観る環境という点では、自宅でも十分すぎる時代になったと言っていい気がします。一方で音響面はどうでしょうか。テレビを見るとき、音をその内蔵スピーカーから出している人というのは圧倒的多数派のはずです。外部スピーカーを繋げてる人でも、それがサウンドバーであったり、AVアンプであっても7.1chまでスピーカー繋げてる!なんて人は相当少ないのではないでしょうか。そもそも、日本の住宅事情を鑑みたとき、近隣に迷惑をかけないで済む音量なんてたかが知れています。映画館が価値を見出だせるのはそこじゃないですか?音響面のアドバンテージというのは、映画館はまだまだ相当なもののはずです。そこにこだわることこそ、活路があるんじゃないかと思います。この先近い未来で防音性、遮音性が飛躍的に向上した建材でも出てくればそりゃ別かもしれませんが多分そんなこともないでしょ?音にこだわった映画を音響にこだわった映画館で観る。それこそ映画館で映画を観ることそのものに価値を見出してもらえる、一番正道な選択肢だと思っております。

それはそうと『FILM RED』ガチで面白いからぜひ映画館で見てくれ。Dolby Atmosとかがあれば最高や。

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